「不快害虫」という言葉は昭和40年頃に生まれ、刺咬<しこう>や病原体の媒介などの、実害はないが、感覚的な不快感を与える昆虫が不快害虫と定義されています。不快感は主観的なものであり、人によって感じ方が違います。
不快害虫の種類は時の流れにつれて増え、防除対象としての比重が時代とともに大きくなってきました。虫に対する不快感は生まれ育った環境の影響も受けるようです。都市化が進んで自然と疎遠になるにつれて、実害のない自然の虫に出合った時でも不快と感ずる人が増加しています。秋の鳴く虫やセミの声は季節を告げてくれる自然の音楽とされてきましたが、近年これを騒音(聴覚的不快感)として嫌う人が増えました。
不快の内容を考えてみると、毛深いもの(ケムシ)脚が長いもの(カマドウマなど)、脚の数が多いもの(ゲジなど)、のっぺりした姿のもの(イモムシやウジ)が嫌われやすいようです。また、嫌悪感は個体数が多いほど強く、益虫のナミテントウも集団越冬で屋内に侵入すれば不快害虫にされます。
古井戸(不使用)へ薬剤投入(蚊の幼虫駆除)
アブラムシ駆除 薬剤噴霧
【害について】
@刺されると、激的な痛み・腫れ・そしてかゆみが残ります。
Aハチ毒による過敏症体質者は死に至ることもあるので、ひどく腫れたり・じん麻しん・めまい・吐き気・息苦しいなどの症状があったら、速やかに医師の治療を受ける必要があります。
【営巣場所】
@スズメバチ・・・大きなボール状の巣を小動物の廃坑・立木・人家の壁間・軒先・天井裏などに作ります。
スズメバチ駆除中
Aアシナガバチ・・・家屋の屋根の下・軒先・木の枝・草むらなどに少し下向きに六角形の巣穴を並べて作ります。
【駆除について】
@巣を見つけたら、絶対に刺激を与えないよう注意してください。
A駆除は巣を取り除くことですが、危険を伴うので専門業者に頼むのが良いでしょう。
B巣はすぐに大きくなりますので、早い時期に駆除を行ってください。