貯蔵食品害虫

食品害虫とは
 穀物を貯蔵する倉庫や精米所などをはじめ、乾燥食品やお菓子などの食品加工工場にも多く発生するのが食品害虫です。異物混入の一つとして消費者からのクレームになりやすいので対策が必要です。


ノシメマダラメイガ
幼虫は各種穀類、豆類、ココア、チョコレート、乾燥果実、小麦粉などの穀粉、菓子類、ナッツ・アーモンド、鳥の餌などを食害し米や加工食品の最も重要な害虫。一般家庭でもよく発生しトラブルのもとになりやすい。通常、年3〜4回の発生で幼虫越冬、ほとんど全世界に分布する。


タバコ シバシムシ
一番よく発生が見られるのは穀類の加工品であり、また幼虫の発育もこれらが最もよい。具体的には、小麦粉、米粉などの粉類とソーメン、スパゲッティー、マカロニなどの乾燥麺類、ビスケット・カンパン・クッキーなどの菓子類が加害されるケースが多いが、乾果、ペットフード、油かす、カツオブシ、植物、昆虫標本等々、長期間保管されるようなものはことごとく被害対象となる。また本種の幼虫の天敵であるシバンムシアリガタバチの寄生を受けやすく、この手の発生によって蜂刺という別の深刻な問題を引き起こすことが多い。


ヒメカツオブシムシ
成虫は花上で花蜜や花粉を食している。幼虫は、屋内では各種の動・植物性食品を食害し、日本その他の養蚕国では蚕・蛹・繭・生糸・絹織物の害虫の代表的な物となっている。幼虫の食餌となる動物性のものには鰹節・乾魚・乾燥動物昆虫標本・骨羽毛製品・皮革・毛織物、粉ミルクなどがある。植物性のものでは、いろいろな種子・豆・穀粒・穀粉・貯蔵タバコなどがある。幼虫は細粉状のゴミの溜まっている乾燥した場所を好んで生息する、行動活発でよく歩きまわり、穿孔能力が大きいので食品容器の段ボール箱や袋類に穴を開け、被害を大きくする。


ヒメマルカツオブシムシ

成虫は野外で花蜜を食している。訪れる花は多科にわたる。キク・ニンジン・タマネギ・アブラムシ・クリなどに多い。匂いはあまり関係なく色によって誘引される。淡青色→白→黄の順で最も良く誘引される。幼虫が屋内で加害するものは、昆虫標本、羊毛のカーペットや衣類、毛皮、毛髪、、羽毛、角、骨製品、皮革、乾魚、絹織物、蚕蛹、蚕繭などである。


コクゾウムシ

成虫は主として玄米や玄麦など精米、精麦されていない穀粒に孔を開け、1穀粒に1卵を産み付ける。幼虫は穀粒内に食い入り成長し穀粒内で蛹化、成虫となって脱出する。米・麦・トウモロコシなどの穀粒を食害する貯穀類の害虫


コクヌストモドキ

本種は粒のままの穀類では繁殖しにくいが、穀粉やぬか・ふすまの大害虫であり穀粉を加工した食品類をも広く加害する。動物性のたんぱく質があるほうが良く発育するので、ビスケット、チョコレートなどを特に好み、ミルク、動物標本、煮干なども加害する。


ノコギリヒラタムシ

本種は粒のままの穀類では胚芽を加害するが、穀粉を加工した食品類をも広くか害する。日本では製粉・精麦工場のみならず精米所にも発生している。またビスケットや乾麺などの加工品・菓子類にも発生する。日本では都市、農村を問わず発生している。