衛生害虫とは
衛生害虫とは、病原体(ウイルス・細菌・寄生虫など)を運んで人に病気を感染させる昆虫(媒介昆虫:ベクター)をいいます。(ゴキブリ・蚊・ハエ・ダニ・ノミ)
この中には、体の表面に病原体を付着させて運ぶだけのキャリアーと呼ばれるもの(蝿やゴキブリ)と体の中に病原体を取り込んで増やしたり、育てたりして人に感染させやすくするもの(蚊やダニなど)がいます。
日本の代表的な衛生害虫には、あまり発生は多くありませんが日本脳炎を媒介するコガタイエカや恙虫病を媒介するツツガムシがいます。最近では、ダニがアレルギーの原因になるなど感染症とは別の意味で脚光を浴びています。
●ゴキブリ類
日本の代表的なものはチャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ヤマトゴキブリ、ワモンゴキブリの大体4種です。
この害虫が大腸菌、コレラ菌、腸チフス菌、小児マヒウィルス、赤痢菌、結核菌、ガスエソ、癩、アメーバ、蛔虫、脳脊髄炎、その他多大の病原菌を撒き散らしています。実に不潔な害虫です。一匹のゴキブリに13,370に及ぶ細菌の附着した例もあります。
繁殖時期=3月〜11月(暖房のある昨今は年中います。)
●チリダニ類
人のアカやフケを餌としており、家屋内塵中にごく普通にいるダニで夏期に増える。このダニの生体、死骸や糞が小児性喘息やアレルギー性鼻炎の原因となることが明らかになっている。ダニは卵から成虫のいずれの時期もアレルゲンとなり、アレルギー発症の原因となります。
●ハエ類
ハエ類の幼虫は、植物、動物質などあらゆる有機物から発生する。家屋内では、食物残渣、漬物桶、植木鉢の油粕、ネズミなど動物の糞や死体などさまざまな場所から発生する。
ハエが各種の病原体菌を運搬することは古くから知られている。急性灰白髄炎(ポリオ)のウイルス、赤痢菌、コレラ菌などはよく知られているが、各種の食中毒も媒介していることも知られていた。
伝播の方法には
@体表面、特に足に付けてあちこちの食品の上にとまる。
A食べたものを一部吐きもどす。
B腸内のものを糞として排泄する
しかし、このところ日本では、O-157が検出されたことからハエを含む衛生害虫が注目されはじめた。
●ノミ類
【害について】
@オス・メスとも成虫が吸血します。
Aノミにかまれた後の発赤・はれは体質によってはかなり大きく、しつこいかゆさが数日間続きます。何日かたってから掻くと、再びはれてきてかゆさがぶるかえしてくるのも特徴です。他の吸血害虫よりも刺された後が不快です。
【潜伏場所について】
@ヒトノミ・・・吸血時以外は人の体を離れ、畳の下・床下に潜んでいます。最近ヒトノミはほとんどみられません。イヌノミ・ネコノミについては宿主の他、他の哺乳類・人などにも外部寄生します。
A幼虫の生育する場所は、床下や動物の巣のゴミの中です。